2020年01月28日 新着情報

独)労働政策研究・研修機構による人手不足等の調査 雇用人員が不足している企業が66.5% 特に正社員が不足


独立行政法人労働政策研究・研修機構から、「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」の結果が公表されています(令和2年1月24日公表)。

この調査は、厚生労働省労働政策担当参事官室(現・政策統括室)の要請に基づき、人手の過不足が従業員の方々の働き方に与える影響や企業の人材マネジメントとの関係で生じている諸課題を明らかにすることを目的として、全国の従業員20人以上の企業とそこで雇用される正社員を対象として実施されたものです。
公表された結果は、企業調査は4,599件、労働者調査は1万6,752件の有効回答を集計したものとなっています。

ポイントは、次のとおりです。
●企業調査で、雇用人員の過不足状況では、「不足・計」(「大いに不足」「やや不足」の合計)が66.5%。
●正社員と非正社員の過不足状況をみると、「不足・計」の割合は、正社員が64.6%、非正社員が30.1%(非正社員に比べ正社員のほうが、「不足・計」の割合は高い)。
●正社員について、人材の種類ごとに、「不足・計」の割合をみると、「現場の技能労働者」が67.5%でもっとも高く、次いで、「研究開発等を支える高度人材」(64.6%)、「システム・アプリケーション等を開発する専門人材」(56.6%)などとなっている。 
●「従業員不足企業」(従業員全体に関して、「大いに不足」「やや不足」と回答した企業)における「会社経営への影響がある・ありうる」とする企業において、会社経営への具体的な影響(見込み含む)では、「既存事業の運営への支障(対応遅れやミスの発生、財・サービスの品質の低下、クレームの増加など)」が42.2%ともっとも多く、次いで、「技術・ノウハウの伝承の困難化(後継者の確保・育成がおぼつかない)」(39.4%)、「既存事業における新規需要増加への対応不可(受注や営業時間の延長の見送り・先送りなど)」(33.5%)などとなっている。
●過去3年間の人手不足を緩和するための対策の取組については、「人手不足緩和策に積極的」な企業割合(「取り組んできた」62.8%と「未だ取り組んでいないが、近く取り組む予定」5.5%の合計)は約7割となっている。
●「人手不足緩和策に積極的」な企業に対して、人材不足緩和策の取組内容(予定を含む)を尋ねたところ(複数回答)、「求人募集時の賃金を引き上げる」(68.1%)、「中途採用を強化する(採用チャンネルの多様化等含む)」(66.6%)、「定年の延長や再雇用等による雇用継続を行う」(59.2%)が6割前後で上位となっている。 
など

最後に、「政策的インプリケーション」として、次のように論じられています。
〇人手不足は会社経営・職場いずれにも影響を与えている。人手不足緩和策の企業の取組では、採用の強化だけでなく、賃金・その他の労働条件の向上に取り組む企業があり、高齢者の再雇用や非正社員の登用に取り組む企業もみられる。労働者側は、不足理由として、採用困難・離職の増加だけでなく、業務プロセスや雇用管理の見直しの不十分さをあげている。採用困難な状況が継続しているほど、業務プロセスや雇用管理などの見直しを促進する必要がある。

詳しくは、こちらです。
他の結果も含め、是非ご覧ください。
<人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査>
≫ https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/193.html